木造住宅の今と昔、どのように変わってきたか、自分なりにざっくりとまとめてみます。
先ずは家の耐久性(寿命)や地震に対する強さについて。 地盤や基礎から上に向かって、ほぼ家を建てる時の順番に沿って書いていきます。
1.地盤・・・2000年代前半、前と後の違い
今:地盤調査を行い、家を支える強度(地耐力、液状化の有無)があるかを調べる。強度不足の場合は杭や地盤改良で補強を行う。
前:地盤調査の義務無し
2.基礎・・・1990年代後半、前と後の違い
今:ベタ基礎が多い
前:布基礎が多い
3.構造(シロアリ・腐朽対策編)・・・2000年代前半、前と後の違い
※構造とは住宅の骨組みの事と考えて下さい。
今:高耐久の木材の使用、又は薬剤によるシロアリ防止・腐朽防止
前:おのおのの判断で行っていました。
4.外壁(シロアリ・腐朽対策編)・・・2000年代前半、前と後の違い
今:通気工法が一般的
前:通気層無しが一般的
5.構造(耐震性能)
~1981年:旧耐震(震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しない)
1981年~:新耐震(震度6強~7程度の揺れでも倒壊しない)
2000年~:耐力壁のバランスを考慮、ホールダウン等の金物で倒壊防止
以降、地震に強い「耐震等級3」(解説は省きますが重要)が増えていきます。
2016年~:熊本地震の繰り返し地震(大きな余震)に耐える制震・免震構造が増える
大まかにまとめると・・・
大きな地震の経験を踏まえて法律が変わり、基準が厳しくなってきています。
床下や壁の中など、見えない場所の土中からの湿気、結露、雨漏りなどはカビや腐朽菌の繁殖、シロアリ害につながり、家の寿命が短くなったり、地震で倒壊しやすくなったりしますので、対策が求められます。古い家は要注意なのです。
「ベタ基礎」は・・・
土中からの湿気を防ぐ
不同沈下を防ぐ
地震に強い
シロアリを防ぐ
など、良いことずくめです。
中古住宅を購入するときや、リフォームをするときには、築年と上記年代を比べ、その住宅がどういう状態にあるかを知り、長く、安全に住むためにはどういう工事が必要かを知っておく必要があると思います。財産と家族の安全を確保するために、時には建て替え、住み替えがベスト・・・という判断になるかも知れません。
もっと詳しく知りたいときは・・・
国土交通省ー住宅の品質確保の促進等に関する法律
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000016.html
などや「住宅性能表示」「耐震等級」「ベタ基礎」「地盤調査」「通気工法」などのキーワードで検索して調べてみて下さい。
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